週末、友人のシングルマザーの家に行きました。
ほかの友人も子連れで来ていたので、とてもにぎやかで楽しい時間を過ごしました。
その時、流し台にコップがたくさん置かれているのを見て、ずっと前に聞いた話をふと思い出しました。
それは、わたしが30台前半の頃、食堂の厨房で働いていた時に先輩から聞いた話でした。
還暦近かった職場のその先輩女性は旦那さんが愛人の家に行って戻ってこなくなり、離婚した方。
双子の男の子を持つシングルマザーでした。
話は、お子さんが小学生の時のことです。
「当時は学童もなかったから、子供が小学校にあがったら鍵をもたせて留守番させていたの。ふだんは外で遊んでいたけど雨が降った日やすごく寒い日暑い日なんかは、仕方ないから友達を家に入れていいってことにしてあった。よそに遊びに行かせてうちの子が何か悪さしようものなら、『あそこは母子家庭だから』ってきっと言われると思ったから。そんなこといわれるよりも、うちの中が汚くなるほうがましだったからね」
「疲れて帰ってくると何十個っていう使ったコップが流しに下げてあって、『コップぐらい洗ってくれればいいのに』って思いながらコップを洗うのが、あの頃まず家に帰ってからする最初のことだった」
と話してくれました。
よく聞いたら、息子さんは私と同い年でした。
そういえば、あの頃って学校の連絡網に世帯主の名前が書いてあって、それが女名前だと「あそこんち母子家庭だな」ってすぐ分かってしまったよなあ…クラスに一人くらいしかいなかったし。
今よりもっと少数派だった頃のシングルマザーの気持ちについて、コップを見つめながら考えた日曜日でした。
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