「母親にとって大きな負担」とハッキリ言う人も多くなってきたPTA活動、シングルマザーにとっても同じことですね。
貴重な時間を割いてやったにもかかわらず文句を言われることもあり、正直なところ、
「少しならお金を払うからそれで勘弁してもらえないかな」
とさえ思ってしまいます。
では「母子家庭で大変だから」で役員や活動を免除してもらうことはできるのでしょうか?
「働いているから」が免除理由は昔の話
私たちが子供だった頃、シングルマザーどころか共働きの家はまだまだ少数派でした。
子供が小学生なら母親は家にいるのが普通で、中学か高校にあがったころから「子供に手がかからなくなった」とパートをし始めるぐらい。
フルタイムで働いている人はとても少なかったです。
しかし、今は違います。ワーキングマザーなど珍しくありません。
また、母子家庭そのものも、そこまで珍しいことではなくなってきました。
「母子家庭で、働いているので役員はできません」
といったところで、「大変ですね、じゃあいいですよ」と言われるよりも「赤ちゃんがいる人も介護をされている方もいます。大変なのはみんな同じです」と言われてしまいいます。
(実際、私のシンママ友人もこう言われました)
今の時代、PTA活動を免除してもらえるのはもっと大変な事情を抱えている方か、妊娠している方ぐらいというのが実情です。
逃げ切りはデメリットのほうが多い
チェックしている人は必ずいる
それでも、周りを見回すと、子供が卒業するまで逃げ切っている人もいます。
それはそうですね、「とにかく、絶対、ヤダ」という人に強制することはまずありません。
ただ、私が子供を三人育てて、小中高という時期を過ぎてきてわかったこと・・
「役員をやらない人は誰と誰」とチェックをしている人は、どこにも必ずいます。
そして、そういう人は他の人にそれを教えるのも好きです。
イベントのとき肩身が狭い
私も離婚してから仕事と生活が落ち着くまでの二年ほどは、PTA活動はすべて断っていました。
その間、運動会や親睦イベントで頑張ってくれている役員を見ると、なんとも申し訳ない気持ちがしました。
せっかくの子供の活躍を見る機会でしたが、肩身が狭く感じ、ついあまり目立たないようにしていたことを憶えています。
「おかあさんは何もしないんだね」
と子供にも言われたときはちょっとドキッとしました。
できる範囲で参加する意思をみせる
PTA役員を打診されたら、即答で「できない」というのではなく、
「夜のみ、子連れでもできる役はありますか?
「会合には参加できませんが、パソコン仕事は任せていただくというのはいかがですか?」
「今年は転職したばかりなので、来年やらせていただけませんか?」
「再来年に下の子が幼稚園に入ったら、やります」
というように、自分のできる範囲で協力したいという姿勢を見せたほうが賢明です。
また、役を引き受けることはできないが、それ以外にできることはありませんか、というのでもいいですね。
もしかしたら、あなたの条件でできる仕事はないかもしれませんが、いきなり断るよりもずっと印象がいいでしょう。
ボランティアは本当に損なこと?
「ただで貴重な時間をつぶされて働かされて、嫌になっちゃう」
という気持ち、とってもとってもわかります。
ただ見方を変えれば、PTA活動は意外に得るものが多いです。
人脈が広がる
一緒に苦労をして計画したり実行したりした人とは、ただ顔見知りで会釈をするだけだった時よりもずっと近い間柄になれます。
「この人とはあまり気が合わなそうだな・・」と思っていた人、話してみたら実はとてもウマが合った、なんてこと、よくありますよね。
忙しくて大変そうだ、という認識がある分、濃いママ友付き合いはしなくていいのがシンママのメリットなので、仲良くなっても程よく付き合えます。
運動会でも、卒業式でも、知り合いが多いほうが楽しいですよね。
普段できない経験ができる
私は、今までPTAの活動として、会計と食品販売、バスツアーの企画をやりました。
会計は家でのみの活動、食品販売とバスツアーは大変な分それぞれ二日だけの活動で済む役員だったので、引き受けられたのです。
そのどれもが、今までの仕事では経験のないことばかりで新鮮でした。
会計では「学校の会計ってこうなってるんだ・・」
食品販売では「業務用食材の仕入れってこうやるんだ・・」
バスツアーでは「大勢にちゃんと時間を守ってもらうのは大変だな」などなど、新しい発見がありました。
今思うと、ふだんできない経験ができてよかったと思っています。
リスクヘッジとしても
人から迷惑をかけられた時、それが顔見知りなのかそうでないのかで、苛立ち具合は全然違うとよく言われます。
子供を持つ以上だれでも、子供が何かをしでかしてその責任をとらなければならなくなるリスクはあります。
今後子供がよその子に何かをしてしまったとして、
「あの子のママ・・どんな人かもわからない。学校でも見かけないし」
「ああ、役員を頑張っていたあのママの子」
というのでは、客観的に考えて相手からの印象が違うとは思いませんか?
私は、こういう点からも、PTA活動をやっておいて損はないように思うのです。
変えるか、通過点と思うか
PTA活動や会費徴収が疑問だ、としてPTAの制度自体を変えようとして頑張っている友人がいて、その意義については私は賛同します。
「子供の活動のために大人がサポートをするのはあたりまえ」
という風潮には疑問だからです。
ただ、日々の多忙すぎる母子生活の中で、これに反対して変化を起こそうというエネルギーは、正直なところ、今の私にはありません。
これも人生の通過点の一つととらえることも、子供がこどもである時代を乗り越えるシングルマザーには必要だと思います。
コメントを残す